成長は無限大の出世魚! 診断士はやりたいことの100分の1

MYN(ミョンス)さん

中小企業診断士試験、R3年度合格同期にインタビューする当企画、今回はMYN(ミョンス)さん(@MYN29385894)にご登場いただきます。

さまざまなバックボーンを持つ人が集まる診断士界隈においても、「寿司が握れる診断士」という異色な肩書(?)を持つMYNさんに、どこから来たのか、どこへ行くのか? その不思議な生態を明らかにすべくお話を伺いました。

名前:MYN(ミョンス)

50歳を機に「右手に包丁、左手に関数電卓」で令和3中小企業診断士二次合格。①シニアプライベートバンカー②証券アナリスト二次③FP1級④情報処理資格⑤寿司職人 をゆるく目指す。住宅・不動産→MR→金融(保険)の経歴。宅建 FP2級 ワインエキスパート保有 都内と鎌倉の多拠点生活実践中。

受験歴

  • 1次2回
  • 2次3回(LEC)

趣味: 映画鑑賞

コロナ前の劇場鑑賞数は年間150~200本

モチ

インタビュアー:モチ

Twitter:@rudykick
総合出版社の編集者→個人事業主。コミック・Webの編集・原案・ノベライズ執筆。からの育児に全力投球。経済産業大臣登録 中小企業診断士。

多拠点生活の土台にもなった不動産時代

プロフィールを拝見すると、たくさんの資格をお持ちです。初めて取った資格は宅地建物取引士?

そうです。不動産会社に入ったんですが、入社早々ヘルニアで寝たきりになりまして(笑)、それで受験しました。最初に勉強し始めたのは、結局取れなかったんですけど、不動産鑑定士。やっぱり難関資格で難しかったですね。入社後は10年くらい注文住宅部門にいました。

不動産といえば、多拠点生活を実践中ですよね。

不動産会社を辞める前に、ローンを組んで湘南に家を買いました。もう一つの拠点は、セカンドハウスとして購入した家が都内にあって、その2軒を行ったり来たりしています。仕事柄、家道楽になってしまったこともありますね。

それと、結婚が結構遅くてお互い初婚だったので、結婚当時には既に二人とも、「譲りがたい」ライフスタイルができていた。お互いの生活をそのまま持ちながら生活したら、多拠点になりました

MYN(ミョンス)さん

回遊しながら舌を肥やしたMR時代

不動産の次は、MR(医療情報担当者)に転職しました。

当時、外資系製薬会社が飛ぶ鳥を落とす勢いだったので。ちょうど不動産会社を辞めようかと思っていたときに、MRを大量募集していたんです。分野は違うけれども、研修もあるし同じ営業だからいいや、みたいな感じで入社しました。

MRは最初の1年くらいは憶える知識も膨大で厳しいんですが、慣れると他社とのつながりも多く、結構楽しいというか。今とは違って、当時は接待で飲食も比較的自由度がありました。時には先生のおすすめの店とか、おしゃれな店に連れて行ってもらったりも。そこでの楽しい思い出はたくさんありますね。

MR時代にも資格にチャレンジしたのでしょうか。

MRの関連資格では、MR認定試験というのがあります。資格がなくてもMRはできるんですが、これがないとやっぱり商品の知識が足りなくてつらいので、詰め込みで勉強して取りました。

僕はわりと「やるぞ!」と思う前に申し込んだりする方なんです。とりあえず申し込む。

そうすると、ずっと何らかの勉強をしている感じになる。中にはぶっつけ本番みたいなものもあって、その結果負け続きです。資格試験の勝率は、大体1勝9敗くらいじゃないでしょうか。

楽しい思いもできて資格も取ったのに、その後、現職の金融業界に転職しています。

MRも楽しかったんですけど、なんだか本当にルーティンで…。MRあるあるですが、車の中で昼寝ばっかりしていました。配属された都内の下町エリアで延々得意先を回っていましたが、そのうち地方に行かされるかもしれなくて、それも嫌だなと思って保険会社に転職しました。

思いついたらリストアップ、やりたいことは全部やる

趣味の方でもワインエキスパートを持っています。あらゆる方面の資格をお持ちで、いったいどこに向かっているのでしょう(笑)。

妻や親からも同じようなことを言われます(笑)。

僕は毎年、自分で「これ、やってみたら面白いだろうな」と思いついたことを100個くらい書き出すんですね。それをもう10年くらい、毎年毎年やっています。実現不可能なことも含めて、とりあえず何か書くんですよ。

例えばですけど、中型バスの運転免許を取ったら、大人数でバスを借りて旅行に行けるな、と思ったらリストに付け加える。テレビを観ていて気になったものなんかも付け加えます。

そんな風にしてやってきたら、こうなっちゃった。寿司なんかは、ずいぶん前からリストにありました。何年か前に、たしかホリエモンが、YouTubeで握り方は公開されているから、それで寿司は握れるようになるというようなことを言っていたんですね。それで、「そうなんだ」って思って、いつか習いたいと思ったんです。

スクールにも通われたんですよね。将来的には本格的に職人になろうと思われた?

そういうわけではないですね。今は、ぼちぼちと出張で握りに行くお仕事のお声がかかったりします。たまにですけど。

MYN(ミョンス)さんとモチ
MYN(ミョンス)さんとインタビュアーのモチ

副業で1000万目標も絵空事じゃない実業家体質

今は保険会社にお勤めのMYNさんですが、独立は考えていないのでしょうか。

大きな保険会社なんですけど、今、自分がやっている仕事は「暗黙知」的な要素が強く、引き継げる人材がいないので、辞められないですね。後継者がいなくて困っている“事例Ⅰ状態”なので、「自分がやらねば」となっています。

副業に関してはどうでしょう?

副業に関しては、一応自分の中で目標というか、「副業で1000万得る」っていうのが、まずあります。診断士だけで1000万って無理だと思っているので、昔の杵柄で不動産を買って賃貸にしたり、そういうところで基盤を作りつつ、他の仕事をして目標1000万を達成するというイメージですね。

不動産は宅建も持っているし、不動産鑑定士の勉強もしていて知識がありますね。

これは安いとか高いとか、どうしてこういう値付けなのかとか、あとは売りに出ている理由など、多少は目が利きます。NPVとかIRRとか、数字にも苦手感はないので、試験では事例Ⅳも得意でした。コロナ禍の間に、湘南の方に何軒か買って貸したりしています。そのうちその一つをスペース貸しや民泊にして、寿司か何かの教室と組み合わせてやりたいな、とか考えています。

民泊は7年くらい前、箱根でやっていました。保険会社に入ってからだったので、仕事が終わってから箱根まで行って、清掃して帰ってくるという生活。2年くらいやって辞めましたけど、それを湘南でまた改めてやろうかなと思っています。

会社勤めをしながら箱根往復とは…、「変わっている」を通り越して変態ですね!

はい(笑)。結局自分は、誰かにアドバイスするというより、診断士の勉強をそういう実業に結び付けたいというところがあったと思います。

本当をいうと診断士はどうでもよかった

そもそも、中小企業診断士の試験を受けようと思ったきっかけは何だったのでしょう。

それも昔から100個のリストの中に書いてあって、いつかは受けようかな、くらいに考えていたんです。今の仕事は同じことをもう10年くらいやっているんですが、ほとんどワンオペで休む時間もない、昼もろくに食べられないような時期が4年くらい前にあって、ここで成長せずに腐るのも嫌だなと思っていました。

であれば、和製MBAともいわれるこの資格をとろうと思って、スクールに通い始めました。本当は証券アナリストを取ることがメインの目標だったんですけど、結果、診断士は取れて証券アナリストはまだチャレンジ中です。

証券アナリストはお仕事の関係ですか?

はい。自分が扱う商品に直結しているので。本当をいうと診断士はどうでもよかった。だけど、途中から診断士の勉強が面白くて、そっちに注力してたら取れちゃった。

僕は文系なんですが、そうすると自分で商品開発するとか、そういうことってないじゃないですか。だから自分ではできないけど、ものづくりの分野での目利きになるスキルを身につけたかった。ただし結果論としては、経営とか財務とか、学んだ理論を自分の意志判断に加えて何かやろうと、そういう感じになりましたね。

MYN(ミョンス)さん

診断士の知識を活用して、近い未来には都内や湘南で人気のお寿司屋さんの経営者になっているかも?

いや、スシローでバイトしてるかもしれない(笑)。だけど寿司の面では、腕で食べられるスキルですし、ホームパーティーみたいなものをちゃんと出張でできるくらいの体制づくりはやってみたいと思っています。

100リストの中には、まだまだ挑戦したい資格もありそうですね。

今後学習したい資格は、「キャリアコンサルタント」、「アンガーマネジメント」、「ほめ達検定」、「7つの習慣®研修講師」、「こんまり®流片付けコンサルタント」、「整理収納アドバイザー」、「作り置き料理コーディネーター」、「Python3」、「薬膳コーディネーター」、「行政書士」、「社会福祉士」、「弁理士」、「2級建築士」なんかをとりあえず手帳に書いております。ヘンですよね(笑)。

ヘンです(笑)。が、ぜひその生態を貫いてください。同期一同、ご活躍を楽しみにしております!

「寿司が握れる診断士」以外に、他にもたくさんの顔を持っているMYNさん。一つやり遂げたらまた一つやりたいことが増えて、きっと100のリストは100のまま。

ご自分の事業にも診断士のスキルを目いっぱい発揮して、近い将来、きっとでっかい「おさかな」になられることでしょう!

ワインエキスパートを保有する、MYNさんお気に入りの自然派ワインをご紹介!

MYN(ミョンス)さんのワインたち

自然派ワインは飲みやすく、また値段も決して高くはないので大好きです。左はフランス「ルイ・ジュリアン」という赤ワイン。初夏に例年日本に入ってきますが、あまりの飲みやすさとリーズナブルな価格で即完売です。右は「セバスチャン・リフォー」という、品種はソーヴィニヨン・ブランの白。これで自然派ワインに開眼する人多数です。

真ん中の5本はオーストラリアの「ルーシー・マルゴー」という、これまたカルト的な人気の作り手です。独特なワインのエチケット(ラベル)はお嬢さんが書いたもの。